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家でもできる!?認知症の早期発見に役立つ 認知症のスクリーニング検査とは ★MMSE(ミニメンタルステート検査)篇

老化現象・特性・心理など
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代表的な認知症のスクリーニング検査について知っておこう 【その2】

認知症とは、記憶力や判断力などの認知機能が低下し、日常生活に支障をきたす病気です。認知症は、加齢や脳血管障害、アルツハイマー病などの原因で発症することがあります。認知症は、早期に発見し、適切な治療や介護を行うことで、症状の進行を遅らせたり、生活の質を向上させたりすることができます。認知症のスクリーニング検査とは、認知症の兆候や程度を調べるための簡単なテストです。スクリーニング検査では、記憶力や計算力、言語能力などの認知機能を測定します。基本的にスクリーニング検査は医師などの専門家が行うものですが、検査によっては家族や自分で行うこともできます。但しこうした検査結果だけで認知症の診断とはなりません。自分や家族で検査を行った結果、検査結果が低く認知症が疑われる場合には、早めに専門医を受診して診察を受ける様にしてください。

日本で使用されている代表的な認知症のスクリーニング検査 MMSE(ミニメンタルステート検査)を紹介します。

MMSE(ミニメンタルステート検査)とは?

MMSEとは、Mini Mental State Examinationの略で、ミニメンタルステート検査とも呼ばれます。認知症のスクリーニング検査として、世界中で最も広く用いられている検査です。

MMSEは、11の項目から構成される30点満点の検査です。各項目は、見当識、記憶力、計算力、言語能力、図形能力などの認知機能を測定します。

MMSEの得点は、認知機能の低下を客観的に評価することができます。23点以下の場合、認知症の疑いがあると判断されます。

MMSEは、認知症の診断に用いられる簡易知能評価スケールです。11の項目から構成されており、各項目の正解数によって、認知症の可能性を判断します。

MMSEの使い方(採点基準)

【設問1】日時等に関する見当識 ※時間に関する見当識をチェックする

  今年は何年ですか?   今の季節は何ですか?  今日は何曜日ですか?
  今日は何月ですか?   今日は何日ですか?

【設問2】場所に関する見当識 ※場所に関する見当識をチェックする

 ここは何県ですか?  ここは何市ですか?  ここは何病院ですか?
 ここは何階ですか?  ここは何地方ですか? 

【設問3】言葉の記銘 ※短期記憶をチェックする

 「桜、猫、電車」 3つの単語を1秒間隔で3回伝え、被験者に繰り返させる。

【設問4】計算問題  ※計算能力をチェックする。

  100から7を5回引き算する。

【設問5】言葉の遅延再生 ※短期記憶をチェックする。

  【設問3】で繰り返した3つの単語を被験者に再び復唱させる。

【設問6】物品呼称 ※言語理解能力をチェックする。

  「時計、鉛筆」 出題者が用意した物品の名称を答えさせる。

【設問7】復唱  ※聞いた内容を正確に覚えられるかをチェックする。

  「みんなで、力を合わせて綱を引きます」

【設問8】口頭での3段階命令 ※口頭で3つの指示を実行できるかをチェックする

  「右手にこの紙を持ってください」「それを半分に折りたたんでください」「机の上に置いてください」 

【設問9】書字の理解、指示  ※書かれた文字を理解し、指示を実行できるかをチェックする。

  「眼を閉じなさい」

【設問10】自発書字  ※文章を構成する能力をチェックする

  「何か文章を書いてください」

【設問11】図形の描写 ※空間認知能力をチェックする

  五角形を2つ交差させた図形を描いてもらう

<採点方法>

各項目の正解数を合計し、24点以上の場合は認知症の可能性は低い、20点以下の場合は認知症の可能性が高いと判断されます。

<注意点>

  • 質問後10秒経過しても返答がない場合は不正解とする。
  • 設問11の図形は、五角形の角がそれぞれ5つあり、2つの五角形が交差していれば正答とする。

まとめ  HDS-R(長谷川式認知症スケール)との違いも解説

代表的な認知症のスクリーニング検査のひとつ、MMSE(ミニメンタルステート検査)を紹介しました。
MMSEは、見当識、記憶力、注意力、言語能力、視空間認知能力の5つの認知機能を評価する検査です。別の記事で紹介したHDS-R(長谷川式簡易知能評価スケール)は、記憶力に重点が置かれた検査です。
また、HDS-Rは、口頭で回答するだけで評価が完了する、口述中心の検査ですが、MMSEは、記述や動作など、さまざまな方法で回答する必要がある、包括的な検査です。MMSEは、記憶力以外の認知機能も評価しますが、HDS-Rは記憶力に重点を置いているため、記憶力の低下が評価に大きく影響します。 そういう意味ではMMSEはさまざまな認知機能を包括的に評価する点で優れており、HDS-Rに比べて幅広い認知機能をカバーしています。特に、MMSEでは遅延再生以外の多くの認知機能が評価されます。HDS-Rは遅延再生の重要性に焦点を当てており、記憶力の低下が評価において影響を与えやすい設計となっています。
MMSEは世界各国で活用されていますが、HDS-Rは主に国内で使用されています。

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