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同居する高齢者家族の世帯分離について考える

介護事情と老後の生活の知恵
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高齢者家族の世帯分離の是非について

ここでは、同居家族でも世帯分離ができることについてお話ししたいと思います。世帯分離とは、同じ住所に住んでいる親子などが、住民票上で別々の世帯になることです。世帯分離をすると、税金や保険料などの負担が軽減されるメリットがありますが、デメリットや注意点もあります。そこで、この記事では、世帯分離のメリット・デメリットや手続き方法、生活保護の受給条件などについて詳しく解説していきます。

世帯分離のメリット

介護費用の自己負担額を軽減できる

同居している親が要介護者になった場合、介護サービスを利用する際には自己負担額が発生します。この自己負担額は、本人の所得や世帯の所得に応じて決まります。一般的には、所得が高いほど自己負担額も高くなります。しかし、世帯分離をすると、親の所得だけで自己負担額が算定されるようになります。そのため、親の所得が低い場合は、自己負担額が下がる可能性があります。

例えば、子供が年収500万円で親が年金収入だけの場合、同居していると子供の所得も考慮されて自己負担割合は2割か3割になります。しかし、世帯分離をすると親の年金収入だけで自己負担割合は1割に下がります。また、自己負担額には上限がありますが、これも所得に応じて決まります。同居していると上限額は月額44,400円になりますが、世帯分離をすると月額26,400円になります。このように、世帯分離をすることで、介護費用の自己負担額を軽減できる場合があります。

住民税や国民健康保険料を軽減できる

同居している親が年金収入だけの場合、子供の所得によっては親の住民税や国民健康保険料が高くなることがあります。これは、親の所得に子供の扶養控除分が加算されるためです。しかし、世帯分離をすると、親の所得は年金収入だけで計算されるようになります。そのため、住民税や国民健康保険料が下がる可能性があります。

例えば、子供が年収500万円で親が年金収入だけの場合、同居していると親の住民税は年間約10万円になりますが、世帯分離をすると約3万円になります。また、国民健康保険料も同居していると月額約1万円になりますが、世帯分離をすると約3千円になります。このように、世帯分離をすることで、住民税や国民健康保険料を軽減できる場合があります。

生活保護の受給が可能になる場合がある

同居している親が生活困窮者であっても、子供の所得がある場合は生活保護の受給資格がなくなることがあります。これは、子供に親の扶養義務があると判断されるためです。しかし、世帯分離をすると、親子間の扶養義務は消滅します。そのため、親の収入や資産が生活保護の基準以下であれば、生活保護の受給が可能になる場合があります。

例えば、子供が年収500万円で親が年金収入だけの場合、同居していると親は生活保護を受けられません。しかし、世帯分離をすると親は要保護世帯として認められて生活保護を受けられるようになります。ただし、生活保護目的の世帯分離は認められない場合もあるので注意が必要です。

世帯分離のデメリット

扶養手当や家族手当などの給付が受けられなくなる

世帯分離をすると、子供は親を扶養家族として申告できなくなります。そのため、扶養手当や家族手当などの給付を受けていた場合は受けられなくなります。また、親も子供を扶養家族として申告できなくなります。そのため、老人扶養控除や

老人扶養控除や特別扶養控除などの税制優遇を受けていた場合は受けられなくなります。このように、世帯分離をすると、給付や控除の対象から外れることになるので、所得が減る可能性があります。

世帯分離の手続きが煩雑になる

世帯分離をするには、住民票や戸籍などの手続きが必要です。また、世帯分離後も、親子間の支援や連絡を継続するためには、契約書や領収書などの書類を作成したり保存したりする必要があります。これらの手続きや書類作成は時間や費用がかかるだけでなく、トラブルの原因にもなりかねません。例えば、親子間の金銭トラブルや相続トラブルなどが発生する可能性があります。このように、世帯分離をすると、手続きや書類管理が煩雑になるデメリットがあります。

まとめ

世帯分離をすることで、介護費用や住民税や国民健康保険料を軽減できたり、生活保護の受給が可能になったりするメリットがあります。しかし、一方で、扶養手当や家族手当などの給付や控除を受けられなくなったり、世帯分離の手続きが煩雑になったりするデメリットもあります。世帯分離をするかどうかは、親子間の関係や経済状況などを考慮して慎重に判断する必要があります。

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